「森進生の仙台から始める反貧困運動記」とは
〇自己紹介
はじめまして。
私は仙台で労働問題・貧困問題に取り組んでいる森進生と言います。
仙台において、
労働問題に取り組むNPO法人POSSEの仙台支部の代表、
コミュニティユニオンである仙台けやきユニオンの代表、
食糧支援団体であるフードバンク仙台の副代表、
貧困運動に取り組むネットワーク団体の反貧困みやぎネットワークの事務局次長、
などをやらせてもらっています。
〇なぜレターをはじめたのか
現在、様々な社会問題が日本で起きており、とりわけ貧困の拡大は深刻です。不安定雇用や低賃金といった低処遇の労働環境が蔓延するなか、エネルギー料金高騰や物価高騰も重なり、食べるものにも困窮するという飢餓の問題が各地で発生しています。
そのような問題に各地の現場は奮闘していますが、それらは報道も少なく、地域の人もあまり知らない、さらには支援者同士も実はお互いにあまり知らないというような状況が広がっています。私自身、同じ地域にいながらも知らなかった新しい課題や活動を目にすることは多々あります。そのような状況が続いてしまうと、個別バラバラな運動が散発的にある状態になってしまい、乗り越えるべき課題に向けて力を結集できず、お互いの運動の進展に寄与することもなく、課題の解決が遠のいてしまうかもしれません。
そこで、地域の活動家や支援者が日々の活動を可視化し、それをもとに議論を行える空間をつくり、お互いの実践をより高めていく、新しいネットワークをつないでいく。そういうような場を作りたいと思い、レターを始めることにしました。まずは自分のやっていることの発信から始めることにしたのです。わたしたちがとりくむ、「地域から社会を変える」実践を伝え、それをもとに多くの方たちとつながっていきたいと思っています。
また、このような発信を通して普段の活動をより深く知ってもらい、改めて応援していただける人も増やしたいと思います。私どもの活動に限らずですが、NPOなどの社会貢献活動を行おうとする場合、寄付や助成金に頼らざるを得ないことも多く、どうしても活動基盤・スタッフの生活基盤に課題が発生します。反貧困活動を進めていくには、より多くの方に支えらる必要があるのです。そこで、今回のレターを通じて、新たな支援者となっていただける方も増やしていければと思っています。
〇発信していく内容
この記事では以下のようなことを発信していく予定です。
① 地域における労働・貧困の実態
筆者がかかわる団体で取り組んでいる地域の労働・貧困の実例を紹介していきます。
地域で起きてる様々な問題は、ローカルニュースですら十分取り上げられないことが多い一方、地域でその問題に取り組んでいる方々がたくさんいます。そのような地域で起きる労働・貧困問題を可視化し、そしてその取り組み内容やその成果を発信することで、読者に問題を知ってもらいたいと思います。
また、同じような取り組みをしている方には、ここで紹介する取り組みや事例をもとに議論する空間を生み出し、お互いの実践の切磋琢磨につなげていきたいと思います。
現在取り組んでいるものだけでなく、過去に取り組んだ事例やその成果なども紹介していく予定です。
② 運動課題に対する戦略やビジョンの共有
私は、仙台・宮城を中心とした地域の労働・貧困問題の解決のために奮闘しています。しかし、地域で起きている社会問題は地域特有の問題として片づけられない、社会全体の課題があることを日々感じています。労働・貧困問題は特にそうです。地域で起きている問題を根本から変えていこうとする実践は、社会全体を変える実践につながります。むしろ、社会全体に影響を与える改革まで目指さなければ、地域の労働・貧困問題も解決しません。実践はローカルに行いますが、しかしその射程は日本社会全体、さらにはグローバルな課題の解決につながりうる実践である必要があると思います。
逆に言えば、社会を変えるのに、首都などの都市部に行かなければならないということはなく、地域の活動においても大きなビジョンを構想し、社会全体の変革につながる実践を行うべきだと考えます。
先進国における飢餓や貧困、「外国人労働者」、ブラック企業問題や非正規雇用問題、性的マイノリティの問題など、私たちが取り組む一つ一つの取り組みの戦略やビジョンについても紹介し、多くの人たちと議論を行い、地域から社会全体を変える、よりよい実践につなげていきたいと思います。そして、そのような戦略を議論する場を用意することで、呼んでくれた現場の方々とお互いに刺激しあえたらと思っています。
③ 活動家の日常
掲載頻度はあまり多くない予定ですが、筆者個人の話も書いていきます。
例えば、現場で活動する中で、ニュースを見たり本を読んだりすると、様々なアイデアや感想を持ちますが、そういうのを紹介し、呼んでくれた人と議論したいと思っています。
また、これまでの活動を振り返り、自分がなぜ運動にかかわったのか、どういうことを考えたのかなども書いていきます。応援してくれる方々に対しての自己紹介になればいいかなと思います。また、これから運動を始めるような人たちなどへの参考になってもうれしいです。
全くの蛇足ですが、私は猫を飼っています。もしかしたら猫自慢もさせてもらうかもしれません。うちの猫はかわいいです。
〇こんな人に呼んでもらえたらと思います。
・地域で社会運動を始めたい・行っている方
・労働・貧困問題に関心がある方
・人権問題に関心がある方
・NPO、NGOなど非営利団体に興味のある方
・相談支援活動に取り組んでおられる方
・
筆者について
1989年生まれの大阪出身。龍谷大学法学部卒。2010年にNPO法人POSSEに参加。2012年より仙台に転居し、仙台POSSEの被災地支援に関わる。当初は高齢者や困窮者向けに仮設住宅から車で買い物や通院に送迎する被災者送迎支援事業に関わる。2016年に被災者支援事業が終了すると同時に労働組合運動に参加。総合サポートユニオンのスタッフとして専従活動を行う。2018年には総合サポートユニオンの仙台支部である仙台けやきユニオンの代表に就任。2020年にはフードバンク仙台の立ち上げに参加、副代表をつとめる。
・これまで雑誌POSSEに寄稿した論考
雑誌POSSEvol.43 拡大する中高年の貧困
「仙台発の「大人食堂」――ワーキングプアの集まる場の創出」
雑誌POSSEvol.51 労働運動は「ジョブ型」とどう向き合うべきか?
「あらわになった公的機関による技能実習生「保護」の限界――仙台の労働組合から
の報告」
・SNS
Twitter:@susundeikiru
Facebook:森 進生
Instagram:shinsei.mori
〇ご支援(有料登録)のお願い
配信する記事の多くは無料で行う予定です。地域の実践の発信や交流を目的としているからです。
しかし、先にも書きました通り、私たちの活動は多くの支援者からの寄付等で成り立っています。可能な方は有料登録を行って応援してもらえればと思います。金額は、月額500円にさせていただきます。レターを呼んでいただき、応援してもいいよという方は、ぜひ有料登録を行っていただければと思います。
有料会員の方に向けては、その「お礼」も込めて、有料会員限定の記事も配信させてもらう予定です。私自身の普段の活動状況や日常、運動のビジョンなどを出そうと思っています。
多くの方に有料登録いただくことで、活動をより充実できると思います。
ご検討のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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